2013年10月25日,第3回SPARC Japan セミナー2013にて「英国における研究データ管理支援の動向」についてお話ししてきました。英国訪問報告の第三報です。
研究データの公開と再利用の概説と,エディンバラ大学・グラスゴー大学・Digital Curation Centre(DCC)のインタビュー調査の報告です。緊張してスマートな発表ではありませんでしたが,元図書館員とRDMについて研究している院生の両方の立場から,本音で語ってきました。
発表資料やビデオ映像は後日サイトに掲載されますが,ひとこと感想など。
はじめに鹿児島大学附属図書館/DRFの西薗由依さんによる概要説明。いつもながら的確でした。ビデオレターはPeerJのPeter Binfieldの話をプレゼンに入れたかったのですが,正確に聞き取れたかどうか自信がなかったので断念。
メインのお一人目はMark Hahnelさん。研究データ共有リポジトリfigshareの創設者です。スライドが1枚かぶりましたが,しっかり笑いにしてくれました。データは引用文献と同様にReference Listに載せるべきだけど8割の論文はそうなっておらず,figshareはMethod SectionやExperimental Sectionともリンクしているそうです。
そしてもうお一人,ImpactStoryの共同創設者のJason Priemさん。「Web-native scienceを作ろう,新しいことをやろう!」という意志が伝わる熱いプレゼンでした。
ライフサイエンス統合データベースセンターの坊農秀雅さんは,まさに研究データを最前線で扱っておられる方で,貴重なお話が伺えました。今後も色々教えていただきたいです。ちょうどPLoS ONEに論文がアップされたのでご自身のImpactの話も。[SlideShare]
岡山大学附属図書館/DRFの大園隼彦さんは,いち早く導入したAltmetricsの結果について。問題点をビシビシ指摘されていて参考になります。
休憩をはさんで,科学技術・学術政策研究所の林和弘さんをモデレーターに,パネルディスカッション。研究者,出版社,図書館の方々から質問や意見が出ました。Jasonが映画「マネーボール」の例を出して,論文のインパクトデータを使った「アカデミック・マネーボール」と言っていたのが面白かったです。
さて,ブログを書く余裕がなかったのですが(・・・),英国訪問の第二報はカレントアウェアネス-Eに掲載していただきました「大学図書館による研究データ公開支援にむけて:英国調査報告」2013年9月26日。この記事に林豊さんがコメントを書いてくださったので,回答のつもりでお話してきました。
最後になりますが,SPARC JapanとNIIの皆様,発表者の皆様,林さん,NDLの福山さん,そして逸村先生に大変お世話になりました。質問して下さった皆様もありがとうございました。心よりお礼申し上げます。